○震災時等における危険物の仮貯蔵・仮取扱い等運用基準

令和元年6月1日

訓令第16号

(趣旨)

第1条 この基準は、震災時等における危険物の仮貯蔵・仮取扱い等の安全対策及び手続について(平成25年10月3日消防災第364号、消防危第171号消防庁国民保護・防災部防災課長、危険物保安室長)に基づき、震災時等に安全を確保した上で迅速に危険物の仮貯蔵・仮取扱い(以下「仮貯蔵等」という。)の承認及び危険物施設での臨時的な危険物の貯蔵・取扱い等をするための留意事項及び運用について定めるものとする。

(用語の定義)

第2条 この基準の用語は、次に掲げるものをいう。

(1) この基準において使用する用語の意義は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)の例による。

(2) 承認とは、法第10条ただし書の承認をいう。

(3) 震災時等とは、南海トラフ地震等の災害により広範囲が甚大な被害を受けた場合をいう。

(適用)

第3条 震災時等における危険物の仮貯蔵等及び臨時的な危険物の貯蔵・取扱いは、次に定める災害等が発生した場合に適用する。

(1) 災害救助法(昭和22年法律第118号)が適用された場合

(2) 前号に掲げるもののほか、消防長が特に必要と認めた場合

(計画書)

第4条 震災時等において、危険物の仮貯蔵等の申請が想定される事業者等に対して、予防課危険物係と事前協議した上で危険物の仮貯蔵・仮取扱い実施計画書(以下「実施計画書」という。)を作成し、提出するよう指導する。

(安全対策)

第5条 震災時等の危険物の仮貯蔵等の安全対策は、震災時等における危険物の仮貯蔵・仮取扱い等の安全対策(別紙1)によるものとする。

(実施計画書の作成)

第6条 実施計画書は、実施計画書作成例(別紙2。以下「作成例」という。)を活用して作成する。

2 実施計画書には、付近見取図、敷地の見取図、仮貯蔵等実施予定場所の配置図(レイアウト)及び使用機器の仕様書を添付し、震災時における危険物の仮貯蔵・仮取扱承認申請書(別記様式第1)とともに正本及び副本それぞれ1通を提出させる。

なお、特異な事例の危険物の仮貯蔵等については、予防課危険物係と協議するものとする。

(実施計画書の保管)

第7条 申請者の住所、氏名等の必要な事項を記載した震災時等仮貯蔵・仮取扱い実施計画書整理番号簿(様式第2)、震災時等仮貯蔵・仮取扱い整理票(様式第3)及び当該実施計画書を専用のファイルに編さんし、適正に保管する。

(事務処理)

第8条 申請が想定される事業者等との事前協議及び実施計画書の受理・保管等についての事務処理は、予防課危険物係が担当する。

(承認申請手続)

第9条 震災時等における危険物の仮貯蔵等の承認申請手続について、計画書が提出されている場合は、次のとおりとする。

(1) 電話等による仮貯蔵等の承認申請

仮貯蔵等の安全対策と事前に提出されている実施計画書の内容を照合し、安全性が確保されると認められる場合は、速やかに口頭により承認すること。

(2) 申請書の提出

申請書の副本に承認済印を押印して交付すること。

2 実施計画書が提出されていない事業者等は、規制規則第2条によるものとする。ただし、作成例(別紙2)にある定型的な仮貯蔵等の場合は、次によるものとする。

(1) 電話による仮貯蔵等の承認申請

事業者等に対し、安全対策及び実施計画書の作成を指導するとともに、可能な限り現場調査を行い、申請書及び実施計画書による申請を指示すること。

ただし、震災時等により交通手段等の確保が困難であり、仮貯蔵等の安全が確保されると認められる場合は口頭で承認できるものとする。

(2) 申請書の提出

前項第2号の規定は、第1号の規定による口頭承認を行つた場合について準用する。

(現場調査)

第10条 前条の規定による承認後の現場調査は、できる限り速やかに実施し、安全を確認するとともに必要に応じ安全対策を指導する。

(危険物施設での臨時的な危険物の貯蔵・取扱い等)

第11条 危険物施設での許可外危険物を貯蔵又は取り扱う場合は、第9条によるものとする。ただし、危険物の利用方法が全く異なる設備等を使用する場合は、次のとおりとする。

(1) 製造所等の位置、構造及び設備の変更を伴う工事は、法第11条第1項の許可(次号に掲げるものを除く。)を受けなければならない。

(2) 製造所等の軽微な変更工事に該当する場合は、資料を提出する。

2 停電時における非常用電源の活用及び設備等の故障に備えて、あらかじめ準備された代替機器を使用する場合は、次のとおりとする。

(1) 臨時的な危険物の代替機器等を使用する場合は、前項第1号の許可又は前項第2号を準用する。

(2) 予防規程を定めなければならない危険物施設について、臨時的な危険物の貯蔵・取扱いの手順、定期的な従業員に対する教育、対応訓練等に関する事項を予防規程及びこれに基づくマニュアル等に規定する。

(指定数量未満の危険物の臨時的な貯蔵・取扱いの可能性を有する事業者等)

第12条 少量危険物に該当する場合は、臨時的な危険物の代替機器等に関する位置、構造及び設備等について、事業者等に少量危険物貯蔵取扱届出書を提出するよう指導する。

(仮貯蔵等の再承認)

第13条 震災時等における仮貯蔵等が繰り返し行われる場合の再承認は、特に必要と認められる場合のみ行うこととし、次により指導する。

(1) 再承認の際には、申請者に再度仮貯蔵等の承認申請を行うこと。

(2) 定期的に安全確保のため現場調査を実施し、承認期間内であつても、仮貯蔵等を行う必要がなくなつた場合は、速やかに危険物を除去すること。

(手数料)

第14条 震災時における仮貯蔵等の申請に係る手数料は、海部東部消防組合手数料徴収に関する条例(昭和46年海部東部消防組合条例第20号)第4条第3号の規定により、手数料は徴収しない。

(運用の適用開始及び終了)

第15条 本運用の適用開始については、震災等発生後、予防課長判断とする。適用終了については震災後の点検項目(別表第1)及び再開の判断要素(別表第2)を参考に、予防課長が判断するものとする。

(その他)

第16条 この基準によるもののほか、震災時等における危険物の仮貯蔵等の運用について必要な事項は、別に定める。

この訓令は、令和元年6月1日から施行する。

別紙1

震災時等における危険物の仮貯蔵・仮取扱い等の安全対策

1 事業所等への指導等

震災時等の被害状況により危険物施設以外の場所(少量危険物貯蔵・取扱所を含む。)での臨時的な指定数量以上の危険物の仮貯蔵等が想定される事業者等に対し、次により指導すること。

(1) 共通対策

ア 危険物の取扱い場所(可燃性蒸気対策)

(ア) 危険物を取り扱う場合は、可能な限り屋外で行うこと。

(イ) 屋内で危険物を取り扱う場合は、可燃性蒸気が滞留しないように換気に注意すること。

イ 保有空地の確保

(ア) 危険物の規制に関する政令第16条第1項第4号の規定の例により下表のとおり、保有空地を確保すること。ただし、高引火点危険物のみを仮貯蔵等する場合は、当該危険性を踏まえた空地の幅とすることができる。

区分

空地の幅

指定数量の倍数が10以下

3メートル以上

指定数量の倍数が10を超え20以下

6メートル以上

指定数量の倍数が20を超え50以下

10メートル以上

指定数量の倍数が50を超え200以下

20メートル以上

指定数量の倍数が200を超える

30メートル以上

(イ) 保有空地の周囲には、柵、ロープ等を立てて空地を確保すること。

ウ 標識の設置

危険物の仮貯蔵等を行う場所では、見やすい箇所に標識、掲示板を立て関係者に注意喚起を行うこと。

エ 流出防止対策

(ア) 流出した危険物が拡散しない形状の場所を選定すること。

(イ) 危険物の仮貯蔵等に伴い大量の危険物が流出する危険性がある場合は、吸着マットの用意や簡易の防油堤を設置する等、必要な流出防止対策を講ずること。

オ 火気使用の制限

危険物の仮貯蔵等を行う場所(保有空地を含む。)で火気の使用は、禁止すること。

カ 静電気対策

(ア) 第4類第1石油類、第2石油類を取り扱う場合は、危険物容器(ドラム本体、詰め替え容器)だけでなく、給油に使用するドラムポンプ等のアースも確保し、確実に静電気を逃がすこと。

(イ) 静電誘導による帯電を防止するために、危険物の仮貯蔵等を行う場所には可能な限り金属類を置かず、どうしても必要な場合には当該金属類も確実にアース又はボンディング(導体同士を電線で接続すること。)を確保すること。

(ウ) 遮光や防風にも絶縁性素材は、極力使用しないこと。

(エ) 危険物を取り扱う作業者は、静電安全靴の着用等静電気対策を行うこと。

(オ) 作業服を着脱した後には、アースされている金属等に必ず触れて危険物の取扱い時における人体等の帯電量を小さくすること。

(カ) 作業場所にビニールシート等を敷く場合には、導電性の確保に留意すること。

(キ) 給油・移し替え等の場合、その流速を可能な限り小さく抑える(充填の初期最大流量は1m/s)とともに、高所から危険物を放出してタンク壁面に危険物が勢いよくぶつかる状況を避け、充填後しばらく静置すること。

キ 消火設備の設置

取り扱う危険物に応じた消火設備(消火器等)を用意すること。

ク 取扱い場所の管理

危険物を取り扱う場所は明確に区分しておくとともに、作業に関係がない者の立ち入りを厳に禁ずること。

ケ 危険物取扱者の立会い等

(ア) 危険物の取扱いに際しては、可能な限り危険物取扱者免状保有者自身が取り扱うか立ち会うこと。

(イ) 危険物の貯蔵・取扱いの全体管理業務は危険物取扱いに関する有資格者等専門知識を有する者が行うこと。

コ 二次災害の発生防止

余震発生、避難勧告発令時等における対応についてあらかじめ定めておくこと。

サ 安全対策を講ずる上で必要な資機材等の準備

アからコで示した安全対策を講ずる上で必要となる資機材等を当該場所以外の場合から調達する必要がある場合は、調達先・調達手順についてあらかじめ定めること。

(2) 危険物の取扱い形態に着目した特有の対策

(1)に示した危険物の仮貯蔵等に際して共通して講ずるべき対策に加え、危険物の取扱い形態に着目した特有の対策は次のとおりとする。

ア ドラム缶等による燃料の危険物の貯蔵及び取扱い(別紙2の1)

(ア) 屋内においてドラム缶等による燃料の貯蔵を行う場合は、当該場所の通風・換気を確保すること。

(イ) ガソリン等の第4類第1石油類を、夏場の気温の上昇や直射日光等によりドラム缶等の温度上昇のおそれがある場所で貯蔵し、又は取り扱う場合は、当該ドラム缶等が温度上昇及び圧力上昇しないように配慮すること。

(ウ) ドラム缶等からの給油、小分けについては、可燃性蒸気の滞留防止の観点から、可能な限り屋外で行うこと。また、屋内で行う場合であつても2面以上の壁が開放された場所で行うなど、通風・換気の確保を行うこと。

(エ) ガソリン等の第4類第1石油類の給油・小分けに際しては、ドラム缶等の蓋を開ける前に周囲の安全や火気使用制限の確認を徹底すること。

(オ) 燃料の小分け等の危険物の取扱いを行う場合は、ドラム缶等の集積されている貯蔵場所から離れた別の場所に確保すること。

(カ) 取扱い場所の危険物量は、可能な限り少なくすること。

(キ) ドラム缶等から自動車にガソリンを給油する場合、ガソリンが満タンになつたとき、自動的に停止する機能がなく、さらに給油中にガソリンの液面の位置を把握することが困難であることから、過剰給油によりガソリンが給油口から漏れ出してしまう危険性があることに留意し、細心の注意を払つて給油するとともに、静電気対策を含めた出火防止対策を十分に行うこと。

イ 危険物を収納する設備等からの危険物の抜取り(別紙2の2)

(ア) 変圧器等の危険物を収納する設備について、点検、修理するため危険物を抜き取る場合は、大量の危険物が流出する危険性があることから、仮設防油堤の設置、漏えい防止シートの敷設等の流出防止対策を講じるとともに、配管の結合部からの流出防止対策として必要に応じてオイルパンを設置すること。

(イ) 危険物の流出量を小さくするため、1箇所の取扱い場所で複数の設備からの抜取りを同時に行わないこと。

ウ 移動タンク貯蔵所等からの給油、注油等(別紙2の3)

(ア) 移動タンク貯蔵所等から直接給油、又は容器への詰め替え(危険物の規制に関する政令第27条第6項第4号イ及びロで認められている取扱いを除く。)を行う場合には、原則としてガソリン以外の危険物とすること。

(イ) 危険物を取り扱う場所を明確に定め、空地の確保や標識の設置等を行うとともに給油や詰め替えに関係ない者の立ち入りを厳に禁ずること。

(ウ) 吸着マット等、危険物の流出時の応急資機材を準備しておくこと。

(エ) 移動タンク貯蔵所から移動タンク貯蔵所へ注入を行う場合は、注入口と注入ホースを緊結すること。ただし、注入される側のタンク容量が1,000リットル未満で、引火点が40℃以上の危険物に限り、注入ホースの先端部に手動開閉装置を備えた注入ノズル(手動開閉装置を開放状態で固定する装置を備えたものを除く。)く。)により注入を行うことができる。

(オ) ホース等に残つた危険物は、適切に処理すること。

(カ) 移動タンク貯蔵所から直接給油する形態では、吹きこぼし防止に細心の注意を払つて給油すること。

(キ) 船舶から移動タンク貯蔵所や陸上の施設等に燃料を供給する場合、船を確実に係留するとともに津波警報発令時の対応についてもあらかじめ定めておくこと。

(ク) 震災等により広範囲に渡つて給油取扱所の再開の見込みが立たず、応急対応や被災地での生活を営む上で、移動タンク貯蔵所から直接ガソリンを給油する必要に迫られている場合には、次に掲げる危険性について、対応する十分な安全対策を適切に実施すること。

a 給油時の漏れ・あふれ等による流出事故の発生危険性(給油取扱所の給油設備には、自動車タンク満量時の自動停止機能や安全に給油できる最大吐出量の設定等により、給油時の漏れ・あふれ等を防止している。)

b 流出事故が発生した場合の火災発生危険性(給油取扱所では、万が一ガソリンが流出した場合においても、流出したガソリンや可燃性蒸気が滞留せず、かつ漏れたガソリンを敷地外に流出させないための傾斜や排水溝、貯留設備があり、給油空地外に被害が拡大することを防止している。)

c 火災が発生した場合の人的被害発生危険性(給油取扱所では、給油に関係ない者の立ち入りを管理されている。さらに、震災時等においては、給油場所での給油希望者の行列などによる多数の利用者の集中が考えられる。)

d 火災が発生した場合の周囲へ延焼拡大危険性(給油取扱所では、防火塀等の措置が講じられている。さらに、震災時等においては周辺建物の損壊等による延焼拡大危険性の増大が考えられる。)

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別表第1(第15条関係)

震災後の点検項目

構造・設備等

確認方法

考えられる応急対策例

地下貯蔵タンク

上部スラブ

・地震前には見られなかつた大きな亀裂(水をまいた場合すぐに浸透してしまうような亀裂)及び盛り上がり等がないかを確認する。

・モルタルやコーキングで亀裂を補修する。

タンク本体

・ウォーターリボンにより地下貯蔵タンク内の検水を行い、平常時より水量が増加していないか確認する。

・在庫状況を確認する。

・なし。

・異常を確認した場合には直ちに使用を中止し、専門業者による点検・補修を待つ。

・固定給油設備等から地下貯蔵タンク底部までの配管長さ分の油を固定給油設備等から払い出し、エアーを噛まないか、水の混入がないか確認する。

・在庫状況を確認する。

・なし。

・異常を確認した場合には直ちに使用を中止し、専門業者による点検・補修を待つ。

マンホール内

・目視できる配管フランジ等から油の流出及び滲み等がないか確認する。

・防爆工具等により締め付けが可能であれば、締め付ける。

・締め付け後、再度滲み等が見られる場合には使用を中止し、専門業者による点検・補修を待つ。

漏えい検査管

・漏えい検査管に検知棒を差し込み、流出した油がないか、及び油臭がないか確認する。

・なし。

・異常を確認した場合には直ちに使用を中止し、専門業者による点検・補修を待つ。

注入口

・注入口ピットの破損及び配管の変形等がないか確認する。

・注入口ピットが破損している場合には、モルタル等で補修する。

配管

配管

・固定給油設備等から地下貯蔵タンク底部までの配管長さ分の油を固定給油設備等から払い出し、エアーを噛まないか、水の混入がないか確認する。

・在庫状況を確認する。

・なし。

・異常を確認した場合には直ちに使用を中止し、専門業者による点検・補修を待つ。

露出配管

・目視できる配管類等から油の流出及び滲みがないか確認する。

・防爆工具等により締め付けが可能であれば、締め付ける。

・締め付け後、再度滲み等が見られる場合には使用を中止し、専門業者による点検・補修を待つ。

建築物等

販売室等

・柱、屋根、梁等に地震前にはなかつたヒビや変形がないか確認する。

・室内での火気の使用を禁じたうえで、可燃性蒸気滞留範囲外にプレハブを設置する。

キャノピー等

・キャノピーパネルのはがれ等、パネルの落下等の危険がないか確認する。

・はがれかけのパネル等は撤去する。

サインポール

・サインポールパネルのはがれ等、パネルの落下危険がないか確認する。

・はがれかけのパネル等は撤去する

固定給油設備等

外観

・固定給油設備等に大きな傾斜やグラツキ等がないか確認する。

・傾き等を修正し、固定給油設備等の外装(パネル)を外しボルトを締め付ける。

・締め付け後、傾きやグラツキが解消されない場合には、使用を中止し専門業者による点検・補修を待つ。

固定ボルト

・固定ボルトに緩みがないか確認する。

ノズル・ホース

・払い出しを行い、ノズル及びホース(特に、亀裂等が見られる箇所)からの油の流出や滲みがないか確認する。

・不燃性テープ等で補修する。

ポンプ

・ポンプから異音がないか、ポンプから油の流出、滲みがないか、Vベルトの緩みやスリップがないか確認する。

・なし。

・異常を確認した場合には直ちに使用を中止し、専門業者による点検・補修を待つ。

防火塀

・防火塀が亀裂、破損、倒壊していないか確認する。

・破損し倒壊危険がある防火塀は撤去する。

・不燃材による防火塀の代替となるものを設置する。

空地等

地盤面

・地震前には見られなかつた亀裂、段差、陥没等がないか確認する。

・モルタルやコーキングで亀裂を補修する。

油分離装置

・地震前には見られなかつた、亀裂及び破損がないか。

・仮設の油分離装置を設置する。

排水溝

・地震前には見られなかつた、亀裂及び破損がないか。

・モルタルやコーキングで亀裂を補修する。

消火設備

消火器

・適正な本数があるか、破損がないか確認する。

・なし

電気設備

・POS、固定給油設備等が転倒等していないか確認する。

・電灯、分電盤等が破損していないか確認する。

・その他電気設備等に破損がないか確認する。

・危険場所に転倒及び落下等したものを撤去する。

別表第2(第15条関係)

再開の判断要素

構造・設備等

確認方法

考えられる応急対策例

判断の例

地下貯蔵タンク

上部スラブ

・地震前には見られなかつた大きな亀裂(水をまいた場合すぐに浸透してしまうような亀裂)及び盛り上がり等がないかを確認する。

・モルタルやコーキングで亀裂を補修する。

左記項目を確認のうえ、異常がない場合、若しくは応急対策を行つた場合には「応急的な地下貯蔵タンクの健全性」を確認したものとする。

ただし、異常の兆候が見られた場合には、直ちに使用を中止する。また、専門業者による点検等を早期に受検する。

なお、応急措置を行つた箇所の近傍(車両通行等を配慮し、安全な場所であること)に消火器を用意する。

タンク本体

・ウォーターリボンにより地下貯蔵タンク内の検水を行い、平常時より水量が増加していないか確認する。

・在庫状況を確認する。

・なし。

・異常を確認した場合には直ちに使用を中止し、専門業者による点検・補修を待つ。

・固定給油設備等から地下貯蔵タンク底部までの配管長さ分の油を固定給油設備等から払い出し、エアーを噛まないか、水の混入がないか確認する。

・在庫状況を確認する。

・なし。

・異常を確認した場合には直ちに使用を中止し、専門業者による点検・補修を待つ。

マンホール内

・目視できる配管フランジ等から油の流出及び滲み等がないか確認する。

・防爆工具等により締め付けが可能であれば、締め付ける。

・締め付け後、再度滲み等が見られる場合には使用を中止し、専門業者による点検・補修を待つ。

漏えい検査管

・漏えい検査管に検知棒を差し込み、流出した油がないか、及び油臭がないか確認する。

・なし。

・異常を確認した場合には直ちに使用を中止し、専門業者による点検・補修を待つ。

注入口

・注入口ピットの破損及び配管の変形等がないか確認する。

・注入口ピットが破損している場合には、モルタル等で補修する。

破損等がある場合には、移動タンク貯蔵所からの注油は行わない

配管

配管

・固定給油設備等から地下貯蔵タンク底部までの配管長さ分の油を固定給油設備等から払い出し、エアーを噛まないか、水の混入がないか確認する。

・在庫状況を確認する。

・なし。

・異常を確認した場合には直ちに使用を中止し、専門業者による点検・補修を待つ。

左記項目を確認のうえ、異常がない場合、若しくは応急対策を行つた場合には「応急的な配管の健全性」を確認したものとする。

ただし、異常の兆候が見られた場合には、直ちに使用を中止する。また、専門業者による点検等を早期に受検する。

なお、応急措置を行つた箇所の近傍(車両通行等を配慮し、安全な場所であること)に消火器を用意する。

露出配管

・目視できる配管類等から油の流出及び滲みがないか確認する。

・防爆工具等により締め付けが可能であれば、締め付ける。

・締め付け後、再度滲み等が見られる場合には使用を中止し、専門業者による点検・補修を待つ。

建築物等

販売室等

・柱、屋根、梁等に地震前にはなかつたヒビや変形がないか確認する。

・室内での火気の使用を禁じたうえで、可燃性蒸気滞留範囲外にプレハブを設置する。

左記項目を確認のうえ、異常がない場合、若しくは応急対策を行い二次災害の危険性がないと判断される場合には「応急的な建築物等の健全性」を確認したものとする。

ただし、異常の兆候が見られた場合には、直ちに使用を中止する。また、専門業者による点検等を早期に受検する。

キャノピー等

・キャノピーパネルのはがれ等、パネルの落下等の危険がないか確認する。

・はがれかけのパネル等は撤去する。

サインポール

・サインポールパネルのはがれ等、パネルの落下危険がないか確認する。

・はがれかけのパネル等は撤去する

固定給油設備等

外観

・固定給油設備等に大きな傾斜やグラツキ等がないか確認する。

・傾き等を修正し、固定給油設備等の外装(パネル)を外しボルトを締め付ける。

・締め付け後、傾きやグラツキが解消されない場合には、使用を中止し専門業者による点検・補修を待つ。

左記項目を確認のうえ、異常がない場合、若しくは応急対策を行つた場合には「応急的な固定給油設備等の健全性」を確認したものとする。

ただし、異常の兆候が見られた場合には、直ちに使用を中止する。また、専門業者による点検等を早期に受検する。

なお、応急措置を行つた箇所の近傍(車両通行等を配慮し、安全な場所であること)に消火器を用意する。

固定ボルト

・固定ボルトに緩みがないか確認する。

ノズル・ホース

・払い出しを行い、ノズル及びホース(特に、亀裂等が見られる箇所)からの油の流出や滲みがないか確認する。

・不燃性テープ等で補修する。

ポンプ

・ポンプから異音がないか、ポンプから油の流出、滲みがないか、Vベルトの緩みやスリップがないか確認する。

・なし。

・異常を確認した場合には直ちに使用を中止し、専門業者による点検・補修を待つ。

防火塀

・防火塀が亀裂、破損、倒壊していないか確認する。

・破損し倒壊危険がある防火塀は撤去する。

・不燃材による防火塀の代替となるものを設置する。

左記項目を確認のうえ、異常がない場合、若しくは応急対策を行つた場合には「応急的な防火塀の健全性」を確認したものとする。

空地等

地盤面

・地震前には見られなかつた亀裂、段差、陥没等がないか確認する。

・モルタルやコーキングで亀裂を補修する。

左記項目を確認のうえ、異常がない場合、若しくは応急対策を行つた場合には「応急的な空地等の健全性」を確認したものとする。

ただし、異常の兆候が見られた場合には、直ちに使用を中止する。また、専門業者による点検等を早期に受検する。

油分離装置

・地震前には見られなかつた、亀裂及び破損がないか。

・仮設の油分離装置を設置する。

排水溝

・地震前には見られなかつた、亀裂及び破損がないか。

・モルタルやコーキングで亀裂を補修する。

消火設備

消火器

・適正な本数があるか、破損がないか確認する。

・なし

専門業者による点検等を受けられない状況下であるため、平常時よりも危険性は高いと考えなければならない。従つて、消火器等の機器は必要本数が揃つていることは必須条件である。

電気設備

・POS、固定給油設備等が転倒等していないか確認する。

・電灯、分電盤等が破損していないか確認する。

・その他電気設備等に破損がないか確認する。

・危険場所に転倒及び落下等したものを撤去する。

左記項目を確認のうえ、異常がない場合、若しくは応急対策を行つた場合には「応急的な電気設備の健全性」を確認したものとする。

ただし、異常の兆候が見られた場合には、直ちに使用を中止する。また、専門業者による点検等を早期に受検する

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参考

震災時等の仮貯蔵・仮取扱い手続フローチャート

1 実施計画書の提出がある場合

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2 実施計画書の提出がない場合

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震災時等における危険物の仮貯蔵・仮取扱い等運用基準

令和元年6月1日 訓令第16号

(令和元年6月1日施行)